東京地方裁判所 平成11年(ワ)22987号 判決
原告 A
被告 B
右訴訟代理人弁護士 C
被告 C
主文
一 原告の請求をいずれも棄却する。
二 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第一請求
被告らは、原告に対し、連帯して、金五〇二万一五八八円及びこれに対する平成一一年一一月一〇日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
第二事案の概要
一 本件は、原告が、被告らが訴訟代理人として提起した別件の訴訟において被告にさせられるなどしたことにより損害を被ったとして、被告らに対し、連帯して、弁護士費用相当額、訴訟費用相当額及び慰謝料の各損害賠償の支払を求めた事案である。
二 争いのない事実等
1 被告らは、D(以下「D」という。)らの代理人として、Dらを申立人、原告及びその夫のE(以下「E」という。)を相手方として、昭和六三年六月一〇日、共有物分割調停申立事件(東京簡易裁判所昭和六三年(ユ)第一四九号)の申立を行った。Dらには、区分所有建物(鞍掛会館)の敷地、建物の一括売却の目的があり、被告らが甲第一号証の書類を右調停において、原告に交付した。その後、右調停は不調になり、被告らがDらの訴訟代理人として、平成元年六月二九日、原告とEを被告として、土地建物共有物分割請求事件の訴状を東京地方裁判所に提出した(東京地方裁判所平成元年(ワ)第八五四〇号事件(以下「第一事件」という。)、その後同庁平成二年(ワ)第一〇四八一号事件を併合(乙第一号証)、その控訴審は東京高等裁判所平成二年(ネ)第四七七五号事件(乙第二号証)、上告審は平成八年(オ)第一一三七号事件(乙第三号証)、これら全部を総称して、以下「別件訴訟」という。)。
2 甲第三号証の一枚目には、甲第一号証中「日本橋馬喰町鞍掛会館土地名義人明細」及び「別紙6その他参考となるべき事項」の書面が添付されていない。また、甲第四号証は、別件訴訟で証拠として提出された書類であり(別件訴訟の甲第四〇号証)、甲第四号証の原本は左綴じであった。別件訴訟の第一審の期日において、被告CがDに対し、国土利用計画法の土地売買届をEを除外して中央区役所に申請したところ勧告をしない旨の通知が来たこと及び条件が付いていたことについて、甲第四号証(別件訴訟の甲第四〇号証)を示して質問し、被告BがDに対し、「原告とEを除いて売れるのならどうかということについてですが、実際にはどうなんでしょうか、可能ですか。」と質問し、Dは、「・・・区の方からは勧告しないという答は出ましたが、条件を付けられたわけですから、区の方では・・・被告ら(原告及びEの意味)も一緒にしてでないとだめだということを言われました。」との供述をした。
3 別件訴訟の第一審の被告らに対する依頼人(原告)は二七名であり、鞍掛会館の敷地には共有部分と分有(単独所有)の部分があった。別件訴訟の請求の趣旨では、原告に対し、建物収去土地明渡し、時価による売渡請求も求めていた。原告は、別件訴訟の控訴裁判所において、控訴の手数料の一部還付を受けた。
三 争点
被告らが訴訟代理人として別件訴訟を提起し、訴訟を担当している際に、原告主張の不法行為があったかどうか。
四 原告の主張
1(一)(1) 被告らは、別件訴訟の原告(D)らから、区分所有建物の敷地、建物共の一括売却(原告と夫のEのみが反対)を推進するという目的の依頼を受任し、昭和六三年六月一〇日に、原告とEを相手方として共有物分割調停申立事件(東京簡易裁判所昭和六三年(ユ)第一四九号)の申立を東京簡易裁判所に行った。その調停上で被告らは、代理人弁護士として、中央区役所からは、すでに土地売買の許可が出ているとして、甲第一号証と同一のEの住所、氏名の記載のある添付資料を提出した。
(2) ところが、右調停が不調となったため、被告らは、Dらの代理人弁護士として、平成元年六月二九日に原告とEを被告として、前記共有物分割請求事件(東京地方裁判所平成元年(ワ)第八五四〇号)の訴状を東京地方裁判所に提出した。
(3) その審理において、被告らが先に提出していた証拠(甲第二号証、別件訴訟の甲第二四号証)の記載内容と合致させるために、調停上で提出した添付資料(甲第一号証、別件訴訟の乙第六号証)から夫Eの住所、氏名の記載されている部分を取り外して、証拠(甲第三号証、別件訴訟の甲第三四号証の一)として提出した。さらに、本来は、昭和六三年一月二〇日に、共和ビルディング株式会社の第二事業部長広瀬照夫が同社の代表取締役植村為久に宛てた逆綴りされていた報告書を、被告らは、逆綴りのままで証拠提出しては、単なる社内報告書としか誰が見ても見えないため、証拠(甲第二号証、別件訴訟の甲第二四号証)の記載内容及び自らの訴訟上での主張に合致させるため、逆綴りを右綴りに綴り直し、あたかも東京都中央区長が国土利用計画法第二三条第一項の規定に基づく土地売買等届出に対し、同法第二四条第一項の規定に基づく勧告はしないとして発行した昭和六三年一月一八日付けの通知書(六二中建地上第一一〇二-二号)には、同中央区役所建築部地域整備課土地調整主査黒石湧一が条件を付けて、「役所の勧告」をしたのだと、一見した者がそう思い込むように被告らが作為して作成した文書(甲第四号証、別件訴訟の甲第四〇号証)を証拠提出した。そして、別件訴訟の第一審の平成二年九月一〇日、同年一〇月一日の各期日の尋問で、Dに対し、国土利用計画法の土地売買届を原告とEを除外して中央区役所に申請をしたところ、区から通知があって、その価額で取引をしてもよいとの許可があったけれども、その通知書には条件が付いていて、原告とEも一緒にとなっているので、原告とEも一緒に売却するのでなければ条件に反することになるので、他の者らも売却することができないのだ、という趣旨の証言を繰り返させ、被告Cは、尋問でDに対し、「この勧告をしないという通知には条件が付いていましたね。」とことさらに念押しの質問をして、「はい。」との供述を引き出し、被告Bは、最後の質問で、Dに対し、「原告とEを除いて売れるのならどうかということについてですが、実際にはどうなんでしょうか、可能ですか。」と質問し、Dから、「・・・区の方からは勧告しないという答は出ましたが、条件を付けられたわけですから、区の方では・・・被告ら(原告及びEの意味)も一緒にしてでないとだめだということを言われました。」との供述を引き出したのである。
(4) 被告らが、Eの住所、氏名の記載されている部分を取り外して証拠(甲第三号証、別件訴訟の甲第三四号証の一)として提出した意図は、前記のとおり、「Dの原告及びEを除外して申請したところ」に合致させるために、わざと取り外して証拠提出したのであり、甲第四号証(別件訴訟の甲第四〇号証)を提出した意図は、Dの「区の勧告をしないという通知には条件が付いて、被告らが一緒に売るのでなければ、条件に反することになるので売却できないのだ。」という趣旨の供述に合致させることであり、被告ら自らが作為して証拠提出したのである。被告らは、このような方法を駆使して第一審は全面勝訴したのである。
(二)(1) 被告らは、別件訴訟の請求の趣旨で、原告に対し、共有物分割請求だけではなく、建物を収去して明け渡せとの請求も行った。しかしながら、夫Eの土地の敷地利用権を、妻の原告が使用貸借して区分建物を所有していようと、建物の区分所有等に関する法律(以下「建物区分所有法」という。)の第一〇条の区分所有権売渡請求権には全く該当しないのに、被告ら代理人弁護士は、その第一〇条を理由に、敷地利用権を超えては区分建物を所有していない原告に対し、時価で売り渡せ、占有している土地を明け渡せという請求を行ったのである。訴状を作成した弁護士である被告らが、使用貸借ではないと知らなかったとは考えられないことである。
(2) 別件訴訟の甲第二六号証の陳述者Dは、原告及びEが法律上の使用貸借だとは思っていなかったのに、被告らが勝手に右書証に使用貸借契約だとの作文を付け加え、Dの本人尋問で、Dに、右書証の内容は自らの記憶に基づいて書いたものだと供述させたのである。そして、被告らは、このような方法を駆使して別件訴訟の第一審は全面勝訴したのである。
(三) 以上のとおりの被告らの行為によって、原告は、別件訴訟で次のとおり弁護士費用の出費を余儀なくされた。その弁護士費用は全額で金四一九万三七二一円となる。すなわち、第一審の着手金九五万〇七二一円、第二審の着手金二〇〇万円、第二審の報酬金一二四万三〇〇〇円の合計金四一九万三七二一円である。
2 別件訴訟の訴訟費用額確定決定で、決定の理由として、相手方らと国との関係は確定しているとして、決定額に算入されて、結局は原告が負担させられた金二二万七八六七円についても、次のとおりの理由により本訴において請求する。
(一) 被告らは、別件訴訟の第一審において、訴額の計算を誤り、固定資産税評価額をそのまま訴額としてしまい、三倍もの印紙を過納貼付した上に過誤納手数料の還付請求権を行使せずに時を経過させ時効により還付請求権を失った。
(二) 被告らが別件訴訟を提起する際、訴額を三分の一にしなければならないことを忘れたがために右金員が発生したのであるから、同額は、被告らが負担すべきである。
3 原告は、被告らにより、前記のとおり別件訴訟において、いわれもなく使用貸借にさせられて、平成元年六月二九日から平成八年一〇月一七日に完結するまでの七年を超える長期の裁判の相手をさせられた精神的苦痛に対する慰謝料は、六〇万円に相当する。
五 被告らの主張
1(一) 甲第一号証及び甲第三号証について
(1) 被告らは、Dの尋問の際、原告及びEのみが鞍掛会館の売却に応じないために、他の鞍掛会館の所有者全員が、国土利用計画法による不勧告通知を受けた価格で売却できなかったこと、そこで、その売却を実現するために、別件訴訟を提起した前提事実の経過を立証しようとした。
そこで、被告らは、Dの尋問に当たって、鞍掛会館の所有者らが、土地売買等届出書を区役所に提出し、不勧告通知を受けたという事実自体をまず立証するために、甲第三号証の一枚目を別件訴訟の甲第三四号証の一として提出し、不勧告の通知書を別件訴訟の甲第三四号証の二として提出したものである。
(2) ところで、土地売買等届出書の譲渡人は、「D外一六名(別紙の通り)」となっており、別紙土地名義人明細には、Eも含まれている。
しかし、Dらは、Eが、土地の売却に応じたことがあったと主張したことは当然のことながら一度もない。
被告CからのDに対する、別件訴訟の甲第三四号証の一(甲第三号証の一枚目)を示しての尋問においても、「これがEさんが売らないということですが、その他の方全員が賛成されて出された国土法に関する土地売買等の届出書になりますか。」と質問しており、Dは、「そうです。」と答えている。
(3) 裁判の証拠は、立証する側が、立証に必要な範囲で提出すればよく、被告らは、Dらが国土利用計画法の届出をしたことを立証するために、立証に必要な範囲として、別件訴訟の甲第三四号証の一として、甲第三号証の一枚目を書証として提出したものであり、別紙は、右事実を立証するには必要ないから提出されていないに過ぎず、そこに、証拠を作為する意図はなく、作為した事実も全くない。
(4) また、別件訴訟においては、別件訴訟の乙第六、第七号証及びDに対する反対尋問等で、甲第三号証の一枚目に別紙がないことは、訴訟において明確になっているのであるから、Dらが勝訴したこととは全く因果関係がないことは明白であって、この点についての原告の主張は認められない。
(二) 甲第四号証について
(1) 甲第四号証は、共和ビルディング株式会社の第二事業部長広瀬照夫が同社代表取締役宛に作成した昭和六三年一月二〇日付け報告書(公証役場の確定日付印昭和六三年一月二七日)であり、社内の内部文書である。
同報告書は、昭和六三年一月一九日に、鞍掛会館の売買価格について、勧告しない旨の通知書を受領したこと(報告書には、通知書を別紙として添付した形になっている。)、しかし、役所からは、Eも含む鞍掛会館土地共有者ら全員の一括取引による価格として評価したものであること、Eを除外する取引となると評価額が異なるから、個別に国土法申請手続が改めて必要となることの勧告を受けたことを報告した文書である。
(2) 被告らは、別件訴訟において、Dの尋問に当たり、原告及びEのみが鞍掛会館の売却に応じないために、他の鞍掛会館の所有者全員が、国土利用計画法による不勧告通知を受けた価格で売買できなかったこと、そこで、その売却を実現するために、別件訴訟を提起した経過を前提事実として立証するために、甲第四号証を別件訴訟の甲第四〇号証として書証で提出した。
甲第四号証の原本は、左綴じであったが、被告らは、裁判所と相手方に提出するに当たり、裁判記録は右綴じが原則であったことと、契印として押印されている公証役場の確定日付印を明確にするために、ホッチキスをはずさないでコピーし、甲第四号証のような体裁で右綴じにして提出した。
(3) 前記原告の主張1(一)(4) は、邪推以外の何ものでもなく、全く不当な主張である。すなわち、
<1> 被告Cは、Dに対する主尋問で、甲第四号証(別件訴訟の甲第四〇号証)を示し、同書証が会社の内部資料であることを明確にしている。
<2> しかも、右書証(報告書)は、原本で提出されており、原本の確認がなされているのであるから、裁判所も相手方代理人も、原本が左綴じであることは了知している。
<3> さらに、右綴じのままでも、被告らが、区役所作成の「通知書」自体を、別途、独立の書証(別件訴訟の甲第三四号証の二)として提出していること、甲第四号証の記載内容自体、「役所の勧告」部分の表題等から、「役所の勧告」部分が、広瀬が記載した文書であることは明白である。
(4) また、原告は、自らも、別件訴訟において、別件訴訟の乙第七号証(甲第一三号証)等によって、「役所の勧告」部分が役所の記載したものでないことを裁判所に対して明らかにしていたものであり、甲第四号証の綴じ方と、Dらが勝訴したこととは全く因果関係はないことは明白であって、原告のこの点の主張は認められない。
(三) 原告の書証に関する主張は、本件訴訟において、原告の主張する弁護士費用の損害といかなる関係にあるか判然としないが、被告らが証拠を作為した事実はなく、原告の主張が理由のないことは明らかである。
また、甲第三号証及び甲第四号証は、別件訴訟においては、請求原因自体を立証するものではなく、訴訟に至る経過などの前提事実の立証のためのものに過ぎない。したがって、第一審判決中の争点の判断においても証拠として列記されておらず、右各書証によって、Dらが勝訴したものでないことも明白である。
(四)(1) 別件訴訟の甲第二六号証(Dの陳述書)は、Dの記憶内容と理解内容が記載されているものであり、被告らが勝手に使用貸借であると作文したような事実はない。
(2) 被告らは、訴訟代理人として、Dら当事者の認識に従い、事実主張、法律主張及び立証等の訴訟活動を行ったものであるが、その訴訟活動に何ら不当な点はなく、相手方当事者であった原告に対する不法行為となるような違法行為は何らなく、原告の主張は認められない。
2(一) 別件訴訟の第一審の印紙額は過誤ではない。すなわち、印紙額の算定基礎となる訴訟物の価額は、被告らが算定したのではなく、第一審裁判所が算定したものである。また、訴訟費用額確定裁判の高裁の決定(乙第五号証)においても、過誤であったとの認定はされていない。
(二) また、印紙額(手数料額)について過誤ではない以上、還付請求権自体が発生していないから、行使の問題は発生しない。
(三) さらに、そもそも被告らには、訴訟代理人として、還付請求権の行使をする機会はなかったものであるし、前記訴訟費用額確定裁判の高裁の決定(乙第五号証)においても、手数料納付が過大であることを理由として相当額の還付を受ける申立をすべきものであったとは到底いえない旨認定している。
(四) 以上のとおり、訴訟代理人であった被告らは、還付請求権を行使すべき機会はなく、したがって、その懈怠もないことは明白であって、原告の主張は認められない。
3 原告は、本件訴訟における原告主張事実をもって、別件訴訟につき、被告らの原告に対する不法行為であるとか、被害や損害を受けたなどと主張しているが、それは原告が被害妄想に陥っているだけであり、原告の主張は不当であって、到底認められない。
第三争点に対する判断
一 前記第二の二の争いのない事実等に加え、甲第一、第二、第五ないし第一一号証、第一二及び第一三号証の各一、二、乙第一ないし第三、第七ないし第一〇号証、第一一号証の一ないし三、第一二号証の一、二、第一三号証、第一四号証の一、二及び弁論の全趣旨によれば、次の事実を認めることができる。
1 鞍掛会館(東京都中央区日本橋馬喰町一丁目一番地二四外所在)は、戦後、東京都中央区内で露天商を営んでいた者らで中小企業商業協同組合(以下「組合」という。)を設立した上、東京都から有償で土地の払下げを受けて、プレハブ二階建ての建物を建築して使用していたものが、昭和三八年一一月ころ、右建物を地下一階地上四階の共同ビルに建て替えたもので、主として繊維関係の店舗として賃貸利用されているものである。
2 鞍掛会館の建設計画に加わった組合員は、合計二一名であったが、そのうち、板倉長太郎ら五名(以下その承継人も含めて「Aグループ」という。)は、建て替え前の建物で使用していた位置に割当てを受けることを希望し、建築資金を自己資金で負担することにして組合を脱退したので、組合には、D、Eら合計一六名(以下その承継人も含めて「Bグループ」という。)が残った。
そして、組合の借入資金とAグループの資金を合わせて鞍掛会館を建築し、Aグループの者は、完成した建物のうち、区分所有建物の一部をそれぞれが単独所有した外、区分所有建物の一部について共有持分を取得するとともに、鞍掛会館の敷地の一部の土地について、単独所有し、その余の区分所有建物及び鞍掛会館の敷地のうち四筆の土地は組合の所有となった。
3 鞍掛会館の建設に先立って、Aグループの五名と組合は、昭和三六年三月一七日、「クラカケ会館新築に関する契約書」(以下「新築に関する契約書」という。甲第五号証はそのうちの一通)を作成し、Aグループの各構成員と組合との間の鞍掛会館の権利関係について契約を締結したが、右契約書一〇条(吉田久仁子(以下「吉田」という。)との間の契約書では七条)において、「甲(組合)、乙(Aグループの構成員)の敷地と、甲、乙の所有建物との位置が相互に交錯する場合、相互に土地の貸借関係が生ずるが、これは相互に貸借し合い、其の貸借関係の大小を問わず、新会館が存在する間は、其の代償たる金銭的請求は相互になさざること」と定めた。
4 その後、組合は、建築資金返済の見通しがついたことから、昭和四二年四月をもって解散することになり、組合所有名義の区分所有建物及び土地を組合員個人に分割して取得させ、清算することになった。
その結果、鞍掛会館の建物については、一階の各部屋の組合所有部分と地階の一部屋を組合員一七名全員(相続があり一名増加)の共有とし、その余の地階の部屋及び二階、三階の各部屋はくじ引きで各組合員の個人所有とし、四階は、組合員又はその親族で組合所有の土地の一部の払い下げ資金を負担した者が取得するものとし、組合所有の土地は組合員全員の共有とした(以下「共有土地」という。)。
その際、Bグループの構成員は、「日本橋商業協同組合不動産分割に伴う日本橋商業協同組合より不動産分割を受ける組合員個人相互間に於ける契約証書」(以下「分割に伴う契約証書」という。)を作成し、構成員が建物所有部分をすべて第三者に譲渡した場合はその土地の共有持分を無償で他の構成員に譲渡すること、構成員は土地の共有持分のみを第三者に譲渡してはならないことなどを定めた。
5 Eは、4記載の経緯により、昭和四一年三月三一日、鞍掛会館の一階の各部屋及び地階の一部屋の組合所有部分の各共有持分の外、二階の二一六号、二一八号の各建物を植田弥七及び齋藤昇と持分各三分の一の割合で取得し(以下、右の各共有持分を有する建物のうち、一階及び地階の各建物を「共有建物一」と、二階の各建物を「共有建物二」と、すべてを合わせて「共有各建物」という。)、B二一号、三二一号、五一七号の各建物(以下「単独所有建物」という。)を単独で取得した。Eは、昭和四八年から昭和五八年にかけて、右各建物の共有持分権、所有権をすべて原告に贈与した。Eは、別件訴訟の第一事件が提起された後の平成二年四月二四日死亡し、同人の共有土地の共有持分権を原告が相続により取得した。また、A、B各グループの構成員の一部が死亡して権利承継があった。
6 昭和六一年ころから、鞍掛会館の老朽化に伴う雨漏り、トイレの詰まり、各種配管の老化などの現象が顕在化して、維持補修費用がかさむようになり、一方、テナントに対する家賃の値上げは思うにまかせず、また、鞍掛会館の所有者(共有者)らの高齢化も進む等の事情から、同人らの間で鞍掛会館の土地建物の処分が検討されるようになり、昭和六三年四月ころまでには、E及び原告を除く権利者らは、鞍掛会館の土地建物を一括して第三者に売却処分することで意見の一致をみた。しかし、E及び原告は、これに反対した。
7 E以外のBグループの構成員及びAグループの構成員のうちE又は原告と共有関係に立つ者らは、代理人弁護士である被告らに委任して、価格賠償により譲り受けて分割する旨の共有物分割の調停の申立を行った。
E及び原告は、弁護士に依頼し、原告に対して呼出状が出されたが、代理人弁護士のみが出頭し、原告は出頭せず、調停は不調に終わった。
8 Dを含む鞍掛会館の権利者らは、被告らを訴訟代理人として依頼し、E及び原告を被告として、平成元年六月二九日、別件訴訟の第一事件を提起した。その請求は、共有物分割請求と建物収去土地明渡請求の二つであった。
共有物分割請求は、E以外のBグループの構成員及びAグループの構成員のうち原告と共有関係に立つ者が、Eとの間で、共有土地の分割、原告との間で共有各建物の分割を求めた。
建物収去土地明渡請求は、E以外のBグループの構成員が原告に対して単独所有建物の収去、共有土地の明渡しを請求した。
原告及びEは、稲村健一弁護士外二名の弁護士に訴訟委任し、右稲村弁護士に着手金等として、合計九五万円(平成元年一〇月一二日に五〇万円、平成二年一一月二七日に四五万円)を支払った(その他に、右二回分の支払について、銀行振込のため、消費税込手数料として、合計七二一円を負担した。)。
9 別件訴訟の第一事件の建物収去土地明渡請求においては、単独所有建物の敷地利用権の性質が問題となった。
訴訟代理人たる被告らは、第一事件の原告ら(Dを含む。)のうち、Bグループの者は、分割に伴う契約証書によって、相互に土地の使用貸借契約を締結したものであり、右利用関係は使用貸借関係であると主張し、それを前提に、鞍掛会館が老朽化したこと及び管理状況から、使用貸借としての使用及び収益をなすに十分な期間を経過し、使用貸借契約は終了したと主張した。
これに対し、原告及びEは、分割に伴う契約証書に、「建物の区分所有権ないし共有持分については、第三者への譲渡を認めるが、この場合譲渡人がその譲渡部分について有した土地の共有持分権は他の土地共有者に無償無条件で移転する。但し、他の組合員への譲渡ないし夫婦親子間の譲渡並びに相続による移転の場合は例外とする。」との規定があることから、単独所有建物がEから原告に譲渡されても、Eの土地共有持分には変動はないが、右契約証書全体の趣旨からすると、建物の敷地利用権は、Eの土地共有持分と一体のものとして行使できる権利であるというべきであり、地上権としての権利を含むものであると主張した。
これに対して、Dらは、訴訟代理人たる被告らにより、右例外規定は、本来区分所有建物の所有権をすべて失った場合には土地の持分を喪失するところ、建物の譲渡人が親族であるときには土地時分の確保を認めたところに主眼があるのであって、原告らの主張のように、右建物の敷地利用権が土地共有持分と一体のものとして行使できる権利であるとまでいうことはできないし、右契約証書には夫婦、親子の地位にある者の建物の敷地利用権については明文の規定はないとした上で、右契約証書全体の趣旨からすると、建物の敷地利用権は使用貸借契約に基づくものにほかならないと反論した。
10 Eは、前記のとおり平成二年四月二四日死亡し、原告がEの共有土地の共有持分を相続により取得し、第一事件の原告ら(Dら)は、次のとおり、請求の追加訂正と主張の整理を行った。すなわち、
(一) 建物収去土地明渡請求に関するBグループの構成員の主張を、原告が単独所有建物を取得したのは、分割に伴う契約証書の、共有者の一人が第三者に建物のみを譲渡することを認めていたことを根拠とするものであるとし、原告が、その敷地の所有権を有することなく右建物を取得した時点で、右建物の敷地利用権は、原告とBグループの構成員との間の使用貸借契約に基づくものとして設定されたと整理した。
(二) Aグループの構成員も原告に対して、単独所有建物の収去とAグループの構成員の各所有土地(鞍掛会館の敷地の一部)の明渡しを請求した。
また、右請求に関する主張として、Aグループの構成員の主張を、新築に関する契約書一〇条(吉田関係は七条)の規定は互いに金銭を請求しないということで使用貸借関係であると法律構成し、Aグループの構成員の所有土地(鞍掛会館の敷地の一部)に対するEの使用借権が原告への単独所有建物の譲渡に随伴して原告に移転したと構成した。
(三) A、B両グループ共通に、前記各建物の収去が鞍掛会館自体を毀損すると認められることがあることを慮って、予備的に、建物区分所有法一〇条に基づく売渡請求の意思表示をし、それによる前記各建物の引渡し及び所有権移転登記手続を請求した。
11 吉田は、Aグループに属していたが、原告又はEとは土地又は建物とも共有関係に立っていなかったため、第一事件には当事者とはなっていなかった。
しかし、他のAグループの者が、主位的に建物収去土地明渡しを、予備的に建物区分所有法一〇条に基づく売渡請求を根拠とする建物の引渡し及び所有権移転登記手続を請求したのに併せて、吉田も、被告らを訴訟代理人として、同様の請求を別訴として提起した(東京地方裁判所平成二年(ワ)第一〇四八一号事件(以下「第二事件」という。)、審理は、第一事件と併合された。)。その主張は、他のAグループの構成員の主張と同じであり、訴訟代理人たる被告らによりなされた。
12 別件訴訟の第一審(第一事件及び第二事件)において、被告らは、Dらの訴訟代理人として、原告所有の建物の敷地利用権は使用貸借に基づくものであることを記載したDの陳述書(乙第一〇号証)を甲第二六号証として提出し、Dは、原告本人尋問において同様の趣旨の発言をした。
13 別件訴訟の第一審は、平成二年一二月一七日、共有物分割請求及びAグループの構成員の予備的請求を認容し、Bグループの構成員の建物収去土地明渡請求(主位的請求)、建物引渡・所有権移転登記手続請求(予備的請求)及びAグループの構成員の主位的請求を棄却する旨の判決をした(乙第一号証)。その争点と理由の要旨は次のとおりであった。すなわち、
(一) 単独所有建物のために敷地土地の使用貸借契約がなされたか。
Eは、共有土地については、共有持分権としての敷地利用権を有しており、原告が相続により同じ権利を取得した。Bグループの構成員の建物収去土地明渡請求(主位的請求)、建物引渡・所有権移転登記手続請求(予備的請求)はいずれも理由がない。
Aグループの構成員の所有土地については、Aグループの構成員らは、同土地を無償で使用させることを承諾して使用貸借契約を結んだ。
(二) 使用貸借は鞍掛会館の敷地としての使用をなすべき期間を経過したか。
鞍掛会館の建物が老化し、管理上危険となり、管理費を賄えない状態となっており、使用貸借は会館の敷地としての使用をなすべき期間を経過した。Aグループの構成員の予備的請求は理由がある。
14 原告は、別件訴訟の第一審判決に対して控訴し、Dらは、第一審判決で鞍掛会館全体の売却の目的を達成できるとして、控訴しなかった。原告は、右控訴審において、山川洋一郎、中川明の各弁護士に対して訴訟委任し、同弁護士らに対し、着手金として、平成三年一月二一日、一二〇万円を支払った。Dらは、被告らに対し、引き続き訴訟委任し、被告らは訴訟代理人となった。
原告は、控訴審において、Aグループの構成員の所有土地に対する敷地利用権に関しては、新築に関する契約書一〇条(吉田関係は七条)の定めは、土地の相互の貸借関係により、利用の対価(代償)を相互に請求しうる関係が生じることを当然の前提として、その対価を等価とみなして相互に金銭的請求をしないとしたものであり、相互の貸借が無償であるとしたものではないと解すべきであって、相互の土地の貸借関係が、鞍掛会館が存在する間は相互に地上権であることを確認したものと解釈すべきだと主張した。
共有物分割請求については、原告は、原告が取得する部分を定め、その余の部分をDらが共有で取得する二分割の方法で足りるなど、現物分割がなされるべきであるとして種々主張し、Dらは、原告のみ単独所有を認める現物分割は許されず、仮に現物分割が可能であればDらについてもそれぞれ単独での現物分割を希望する等の主張をした。
15 控訴審は、平成八年一月三一日、請求のうち、共有建物一の建物の競売による分割のみを認容し、その余の請求をいずれも棄却する旨の判決をした(乙第二号証)。すなわち、
(一) 原告の単独所有建物の建物収去土地明渡し、建物引渡し、所有権移転登記手続の各請求について、Bグループの請求については、原告の敷地利用権は土地共有持分権に基づくものであり、使用貸借契約によるものとは解されないとしてこれを棄却し、Aグループの請求についても、新築に関する契約書一〇条(吉田関係は七条)は、その趣旨、内容に照らしてみると、相互の所有土地の利用を対価関係に立つものとしていることは明らかであり、単独所有建物についてのAグループの構成員の所有土地の利用関係も、使用貸借関係ではなく、賃貸借か地上権の性質を持つものと認めるのが相当であり、単独所有建物が組合からEに対して譲渡されたことによってもその利用関係に変動があったとは窺えないとして、これを棄却した。
(二) 共有土地の分割請求については、現物分割は採用できず、競売による換価分割も、建物区分所有法二一条、一七条二項の適用があり、原告の承諾が必要となり、原告が反対していることは明らかとして、許されないとした。
(三) 共有各建物の分割について、共有建物一については、競売による換価分割を認容したが、共有建物二については、共有者三名間に共有物分割契約が締結されており、それに沿った分割が可能であると認められるから、分割請求は理由がないとして、これを棄却した。
16 原告は、山川弁護士らに対し、平成八年四月二五日、控訴審の報酬金等として、一二四万三〇〇〇円を支払った。
17 原告は、控訴審判決に対して上告したが、平成八年一〇月一七日、吉田との関係では、控訴審で全面勝訴しており上告は不適法であるとして却下され、その余の当事者との関係では、上告は理由がないとして棄却された(乙第三号証)。
二 原告の主張1について
1 同(一)の主張について検討するに、前記一に認定した事実に加え、甲第一、第三、第四、第一一号証、乙第一〇号証、第一一号証の一ないし三、第一二号証の一、二、第一三号証、第一四号証の一、二、第一五号証及び弁論の全趣旨によれば、被告らは、別件訴訟の訴訟代理人として、第一審において、原告及びEのみが鞍掛会館の売却に応じないため、他の鞍掛会館の所有者全員が、国土利用計画法による不勧告通知を受けた価格で売却できなかった事実及びその売却を実現するために別件訴訟を提起した前提事実の経過を立証しようとしたこと、そして、まず、鞍掛会館の所有者らが土地売買等届出書を中央区役所に提出し、不勧告通知を受けたという事実を立証するため、甲第三号証の一枚目を別件訴訟の甲第三四号証の一として提出し、不勧告の通知を別件訴訟の甲第三四号証の二として提出したこと、別件訴訟の甲第三四号証の一には、「日本橋馬喰町鞍掛会館土地名義人明細」及び「別紙6その他参考となるべき事項」の書面が添付されていなかったが、Dらが国土利用計画法の届出をしたことを立証するのに必要な範囲として提出したものであり、右各書面を添付して提出しなかったことに、特段の証拠を作為した意図ないし事実はないこと、別件訴訟の第一審においては、別件訴訟の乙第六、第七号証及びDに対する反対尋問等で、別件訴訟の甲第三四号証の一には前記各書面の添付がないことが明らかになっていること、また、被告らは、別件訴訟において、前記同様の前提事実を立証するため、甲第四号証(共和ビルディング株式会社第二事業部長広瀬照夫作成の報告書)を別件訴訟の甲第四〇号証として提出したこと、甲第四号証の原本は左綴じであったが、被告らは、裁判所と相手方に提出するに当たり、右綴じにして提出したこと、被告Cは、Dに対する尋問において、別件訴訟の甲第四〇号証を示し、同書証が共和ビルディング株式会社の内部資料であることを明確にしていること、右書証は原本で提出され、原本の確認がされているのであり、原本が左綴じであることは裁判所も相手方代理人も承知していること、写しの提出が右綴じであっても、その写しが原本を綴ったままの状態でコピー機により写しを作成したため、報告書の裏面と通知書(東京都中央区長作成)が一枚の書面のように現出したものであり、それは、記載内容自体、「役所の勧告」部分の表題等から、「役所の勧告」部分が、広瀬照夫が記載した報告書の一部であることは明白であることが認められる。
右認定の事実及び前記一認定の事実によれば、被告らが訴訟代理人として、原告主張のように特段に証拠を作為したものとは認められず、また、本件全証拠(特に乙第一〇、第一一号証の一ないし三、第一二号証の一、二)を併せ考慮しても、別件訴訟において、被告らが訴訟代理人として、Dに対し、違法不当な尋問をしたものとも認められないから、その余の点について判断するまでもなく、原告のこの点についての主張は理由がない。
2 同(二)の主張について検討するに、前記一の認定事実によれば、被告らが訴訟代理人として、原告の敷地利用権について、使用貸借契約であると主張し、また建物区分所有法一〇条の売渡請求をすることは、合理的根拠を欠くものとはいい切れず、上級審において異なった判断がなされたとはいえ、関係証拠を精査し、第一審が訴訟代理人たる被告らの主張を支持したということは、その主張を裏付ける相応の証拠はあったものと理解することができる。また、Dの陳述書(別件訴訟の甲第二六号証)の記載及びDの尋問中の供述についても、右のとおり使用貸借の主張自体は必ずしも合理的根拠を欠くものとはいい切れず、Dの認識もそのようなものであったからこそ右陳述書の記載及び本人尋問中の供述もこれに沿ったものとなっていると認められるのであって、それ自体は違法不当というべきものではない。
したがって、被告らは、Dら当事者の認識及び証拠に従って事実主張、法律主張及び立証活動をしたものであって、その訴訟活動に違法、不当な点はないものというべきであり、原告のこの点についての主張も理由はなく、原告の主張1については、その余の点について判断するまでもなく理由がない。
三 原告の主張2について
1 前記一に認定した事実に加え、乙第四ないし第六号証及び弁論の全趣旨によれば、別件訴訟の第一事件では、被告らは、Dらの訴訟代理人として、訴訟物の価額を一億九四七七万七九九三円と算定して九八万一六〇〇円の手数料を納付し、その後請求拡張分として九〇〇〇円の手数料を納付したこと、第二事件では、被告らは、吉田の訴訟代理人として、手数料三万三六〇〇円を納付したこと、第一審は、ほぼDら勝訴の判決を言い渡したので、原告が控訴し、控訴状には第一審の一・五倍の印紙(一五五万七四〇〇円)を貼付したところ、控訴裁判所は、共有の各土地建物の分割請求にかかる訴訟物の価額は第一審で計算した額の三分の一が相当と認めて五一万〇九〇〇円の手数料を納付させ、残額一〇〇万六五〇〇円の印紙は控訴状から剥離して控訴人に返還したことが認められる。
2 ところで、共有物分割請求の訴えの場合の訴訟物の価額(経済的利益)は、分割前の共有物に対して有する持分の経済的利益の価額と分割後に取得する経済的利益の価額との差額に基づいて計算するのが相当であるところ、一般的に、特に現物分割が容易であるなどの事情がある場合には目的物の占有状態に変化があるものとみて、占有保持の訴えについての訴額算定基準を類推して共有持分の価額の三分の一とすることが相当といえる。しかし、分割前の共有物に対して有する持分の経済的利益の価額と分割後に取得する経済的利益の価額との差額がいかほどのものであるかについては、共有の実態に応じて千差万別であり、共有状態を解消することにより実際上の利益が見込まれる場合等については、訴額をその有する持分の価額そのものと算定し、それに応じた手数料を納付したとしても、そのこと自体必ずしも不合理とはいえないというべきである。
しかるところ、右1に認定した事実及び前記一認定の事実によれば、被告らが別件訴訟の第一審で納付した手数料(合計一〇二万四二〇〇円)については、その納付が不合理であったとまではいえないというべきである。また、被告らが訴訟代理人として納付した別件訴訟の第一事件及び第二事件の訴訟費用額については、手数料一〇二万四二〇〇円として、Dらと国との関係では確定しており、Dら及び訴訟代理人たる被告らにおいて、右手数料が過大であることを理由として相当額の還付を受ける申立をすべきであったとはいえない。
したがって、この点についての原告の主張は、その余の点について判断するまでもなく理由がない。
四 原告の主張3について
前記一に認定した事実及び前記二の判示によれば、被告らが訴訟代理人として、別件訴訟において、違法、不当な訴訟活動をし、そのために原告に対して精神的苦痛を与えたものといえないことは明らかであって、その余の点について判断するまでもなく、原告のこの点についての主張は理由がない。
五 結論
以上によれば、原告の請求は、いずれも理由がないから棄却することとし、主文のとおり判決する。
(裁判官 小泉博嗣)